ブラウンフィールド化進む国内と土壌汚染ビジネス

環境省が取りまとめている土壌汚染対策法の施行状況によると、11月1日現在、国内の形質変更時要届出区域(土壌汚染があるが、現在すぐに対策が求められるのではなく、形質変更時に届け出ることが求められる土地)は、913サイト、要措置区域(土壌汚染対策が求められる土地)は113サイトとなり、合わせて1,000サイトを超える状況となっています。

2010年の土壌汚染対策法の法改正前にあたる2009年度末には、指定区域が約200サイトだったことを考えると、3年半で5倍に増加している状況となっています。すべてのサイトが有効利用されていないわけではないと思いますが、形質変更にあたる、解体や改築などをしない、いわゆる未利用の建物や有効利用が進められていない土地もそれなりの割合になっている可能性があります。

土壌汚染対策が進まずにいることを反映しているためか、社団法人土壌環境センターが発表した昨年度の土壌汚染ビジネス市場は、2006年度のピーク時の半分以下の800億円に落ち込んでいる状況です。(今年度は不動産市況も活発になり、増加に転じると思われますが・・)

こうした中、欧州では土壌汚染対策に関する規制や、汚染土地の健康被害と今後の対応に関するいくつかの進捗が見られます。 続きを読む

環境・サステナビリティに関する実務教育

先週の座談会では、4時間余りにわたって国内外にわたる環境や持続可能性に関する楽しい議論をさせて頂きました。第一線で活躍されている、違った専門分野の方と同じテーマについて議論するのはとても勉強になります。

環境分野のソリューションは、各地域の自然環境や国の歴史文化、ビジネス慣行など、様々な要素を踏まえて成熟していっています。そのため、各国や各地域での違いもあります。そうした違いを知ることで、新たなビジネスのヒントや、現状のアップデートにつながるものもでてくるかもしれません。

今は環境関連の業務の大部分は、実務を通じて習得するOJTがほとんどですが、環境ビジネスに直接役立つ知識や知見を短期間に修得できる大学や実務教育の場が日本にもっとできてもよいのではないかというご意見もありました。

ちょうど、一昨日、米投資銀行モルガンスタンレーがInstitute for Sustainable Investment (持続可能な投資に関する研究機構)を設立したという発表がありました。 続きを読む

次回座談会

セミナーを受けて、座談会を継続的に実施することになりました。

次回の座談会は”オバマ政権の環境規制改革”についてです。

オバマ政権は、大統領令のもと古い規制を撤廃し、21世紀型の柔軟な効果的な規制に変革することを目指して、様々な規制改革を打ち出してきました。環境規制では、2011年に大方針とともに35の主要な環境規制改革分野を打ち出し、進捗状況を公表しています。アメリカの環境規制改革をネタに、楽しくかつ新しい日本のビジネスについても意見交換させて頂ければと思っております。

なお、座談会に参加ご希望の方はこちらよりご登録ください。詳細についてご案内させて頂きます。

セミナーで配布した環境デューデリジェンス・ガイドブック(Web版を掲載致しました。主要各国の法令やデューデリジェンスのポイント、財務報告における開示推奨事項や会計基準などのリンクを紹介していますのでご活用ください。

シェールガス開発に関わる環境リスクと訴訟の動向

アメリカで拡大しているシェールガス開発については、環境汚染の懸念があることはよく知られていますが、最新動向について米国内での遠隔会議に参加する機会がありましたのでお知らせします。

一部に地下水汚染や揮発性物質の大気への漏出などが懸念されていますが、「シェールガス開発だけが、他のエネルギー、または天然ガス開発に比べてとりわけ環境リスクの懸念が大きいというものではない」というのが識者の共通認識になりつつあるというコメントがありました。つまり、一定の化学物質等を使用する産業活動には環境リスクはつきものであり、その環境リスクの管理は必要であるということです。この環境リスクの管理において、現状では実務上、州の規制が中心的な役割を果たしているが、連邦規制として国全体に規制するのかどうかはまだ検討段階であるということでした。ただし、規制そのものは増える傾向にあり、地域によるニーズも異なり、ビジネス運営上のリスクになる可能性はあるだろうという見解でした。

また、訴訟については、比較的小規模な住民訴訟はでているようですが、それ以外に今後増える可能性があるものとしては、以下の二つが挙げられるということです。 続きを読む

シェールガスに関する環境規制(アメリカ)

今週(9月23日号)の日経ビジネス特集「シェール革命の勝者」のなかで、環境規制に関する弊社取材記事を掲載して頂きました。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20130917/253538/?ST=pc

テキサス州以外の規制動向については、主要4州について同じ区分で弊社Webでご覧頂けます。

また、今週の水曜日にアメリカ金融機関の環境デューデリジェンスの専門家による電話会議で、シェールガス開発での環境デューデリのポイントについての講演があります。弊社26日のセミナーでも最新情報があればお伝えしたいと思っています。

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