海外環境セレクト(2021年3月):2045年に100%グリーン電力達成を掲げるカリフォルニア州

全米の中でも最も脱炭素政策を進めているカリフォルニア州は、同州エネルギー委員会、公益事業委員会、カリフォルニア大気資源委員会が初めて共同レポートを発行し、同州の電力を100%再生可能エネルギーにしていくための道筋や課題等を整理しました。

このレポートは、3月15日に発行され、カリフォルニア州が掲げる目標年である2045年までの様々な部門の数値目標等を示しています。

  • 再生可能エネルギーを増やすために送電規模を約3倍にする必要がある。
  • 今後25年にわたり、これまでにないクリーンエネルギーの発電量を増やし、維持する必要がある。具体的には、年間6GW(ギガワット)の新たな再生可能エネルギーと蓄電設備が必要になる。これは過去10年間に同州が導入して1年間の再生可能エネルギーの規模(太陽光:1GW, 風力:300MW)を超えるものであり、電力会社は今後3年間クリーンエネルギー源を約8GW追加しなければならない。
  • 100%クリーンエネルギーにすることにより、コスト増となり、2045年には電力システムの費用が約6%増加する。
  • 最新技術や排出管理などを通じてすべての電力をクリーンにしていくことは可能であるものの、今後発展する技術や需要の柔軟性等を踏まえて引き続き分析を重ねる必要がある。
  • クリーンエネルギーを使用する交通、建物、産業施設など州全体の92%を占める発電分野で脱炭素が必要であり、そのために送電網をクリーンエネルギーにする必要がある。

 

そして、このレポートの結論として、2045年にクリーンエネルギー100%とすることはカリフォルニアにとって必要であり、これにより安全で信頼できるクリーンな電力網ができるとしています。

 

出所)カリフォルニア州、2021 SB 100 Joint Agency  Report(2021年3月)