アメリカのカリフォルニア州で、水の利用上限を定めて、水利用を規制する法制度が制定されました。
カリフォルニア州では、一人あたりの水利用を2020年末までに20%削減することを目指していましたが、過去5年の干ばつによる水不足等を踏まえ、今後、家庭内の水利用を制限するようになります。具体的には、2025年までに一人当たり一日55ガロン(約210リットル)、将来的(2030年)には一人当たり一日の室内における水利用を50ガロン(約190リットル)に抑えることを目指しているようです。違反した個人への罰則規定(一日あたり約10万~100万円)も含まれており、議論になっています。
約190リットルは、現在の日本人一人あたりの家庭での一日の水利用とほぼ同じですが、カリフォルニア州では2016年時点で、平均85ガロン(約320リットル)の使用となっているようです。(全般的には、水利用は、北米は日本より多く、欧州は日本より少ない。)
今回のカリフォルニア州の規制のように、一般家庭に対して水利用の制限を課す規制は少ないものの、世界的には、産業用に関しては水関連(取水・排水とも)の規制が強化されています。
昨年以降のアジア各国の水規制変更として下記のようなものがあります。
中国:昨年末に取水の課金に関する税改正があり、省別に水源税という形での課金に変更
ベトナム:地下水を取水する企業に対して届出等の厳格化
インド:水利用課税を州から国に変更
韓国:今年から廃水関連の規制強化
上記以外に各州や省などで、廃水モニタリング装置の設置義務、そのデータの当局への接続等を求める規制も増えています。
カリフォルニア州は、排ガス規制や排出権取引など、米国内でも先進的な独特の規制がありますが、今回の水利用量の規制の動きは今後、米国内や世界的に広がる可能性があるのでしょうか。日本のように潤沢な水資源のある国は少なく、世界的には水は非常に重要な環境問題になっています。人口増加・都市生活の水準が世界的に高まる中、いずれにしても淡水の無駄な利用を少なくしていくことが重要な時期に入っていると思われます。
(参考)カリフォルニア州の規制