アメリカの連邦政府が所有する建物等のグリーン化を進めるためのガイドラインが更新され、2月26日に発行されました。
エネルギー効率の高い省エネビルという視点だけでなく、働く人の健康や福祉、生産性や気候変動リスクにも考慮する指標が整備され、同時に連邦政府の建物リストを整備し、グリーン化の進捗状況を把握できるようにする取り組みが組み入れられています。
これはオバマ政権が昨年発行した大統領令(E.O. 13693号)に基づくもので、既存の建物については、従前のガイドラインを2017年9月末まで活用できるとしていますが、新規の建物については、この新たなガイドラインを使用することとなっています。
大統領令では、建物のグリーン化だけでなく、連邦政府の購入製品やサービスの環境等への配慮、水利用の削減、廃棄物等の低減などが盛り込まれて数値目標が設定されています。その中でも建物のグリーン化については、今後10年間の数値目標が詳細に含まれており、例えば各省庁では、2025年までにクリーンエネルギー比率を30%以上にする目標も設定されています.。
すでに環境保護庁(EPA)ではクリーンエネルギーの購入率が使用量全体に相当する状況となっており、連邦政府のトップ10でもクリーンエネルギー比率は10%以上になっているなど取組が進められています。
昨年はホワイトハウス主導で大手企業の長期目標設定を推進するなど、積極的な展開も目立っており、大統領令は官民でグリーン化を推進する礎になっているようです。
目標値についてはライフサイクルでコスト効果がよい場合という前提があるほか、今後策定される新たな大統領令により置き換えられる可能性はありますが、全体のトレンドをみるとアメリカで環境への取組が確実に進んでいるといえそうです。