1月は様々な分野で今年のトレンドを議論されることが多くなっていますが、環境やサステナビリティについても世界のシンクタンク等でトレンドが公表されています。
イギリスに拠点を置く環境労働安全・サステナビリティの調査会社では、今年の10つのトレンドの一つとして、2015年からISO31000(リスクマネジメントの規格)の考え方が他のすべてのISO規格に導入されることにより、”サステナビリティにリスクベースの考え方が組み入れられる”ことを第一に取り上げています。
日本ではリスクベースの考え方は、環境基準などの設定時には組み入れられているものの、大部分の環境基準は一律であり、企業や事業者が環境管理を進めるうえで、日常的に実務と結びつける機会は比較的少ないように思います。
一方、リスクベースの考え方がサステナビリティ全体に整理されて組み入れられる方向は、CSRレポートや統合報告における重要性の考え方とも整合しています。多様なリスクや機会が変化を続ける中で、経営管理の枠組みにおいても、リスクの重みづけをしながら、内外環境の整理をしていく考えは徐々に広がってくるのでしょう。
世界のサステナビリティ関連の実務リーダーが、リスクベースのマネジメントに関わる割合は急速に増えているというアンケート結果もあるようですので、このISOの動きが日本国内でもどのように反映されるのか注目したいと思います。