アメリカの温暖化対策法案の行方

昨夜、ワシントンDCのシンクタンクで、アメリカの環境保護庁(EPA)長官の講演がありました。Web公開されており、日本にいながら生の講演が聴けるのはとても便利です。

6月に提案されたClean Power Planと呼ばれる発電所の温暖化対策をはじめ、現在、アメリカの気候変動政策が大きな転換期にあるとして、米国での温暖化対策の必要性・重要性について力説していました。

いくつか興味深い内容を紹介します。

・気候変動対策にはリーダーが必要であり、それは米国でなければならない。(かつて、オゾン層破壊物質(フロン)への取組に米国が先導したことを紹介しながら)

・6月に公表したClean Power Planにはこれまで100万件以上のパブコメがあった。12月1日までにさらにたくさんの意見がくるだろう。

・気候変動対策は、今だからできること。優れた技術が数多く開発され、コストも下がっている。費用便益の試算でも1ドルの投資につき7ドルの便益があると期待されている。イノベーションにつなげる機会にしてもらいたい。

・米国はシェールガス(天然ガス)による恩恵を受けており、世界のエネルギー地図が変わった。天然ガスの拡大により有害物質は削減されている。メタンやVOC、水など課題もあるが、米国のエネルギーミックスの上で重要な位置づけ。

その他、法案について様々な興味深い内容もありました。今後法案がどのように進むのかはまだ不透明ですが、現在の米政府内で、より積極的に気候変動に取り組むという方向性は明確になっているようです。ビデオがすでに公開されていますので、ご関心がある方は聞いてみてはいかがでしょうか。