中国の土壌汚染

中国の土壌汚染についてはすでに様々な報道もありますが、昨年末改めてその深刻さについて欧米ニュースが伝えています。

日本語でも概要が報道されていますが、中国国内の土壌汚染されている土地の広さは、ベルギー一国に匹敵する約330万ヘクタール(約3万平方キロ)ということですので、東京都全体の面積の約14倍になります。

カドミウムなど重金属による農作物への汚染が懸念されているということです。現在強化されている地下水汚染対策に加えて、今後、土壌汚染対策へのニーズが高まることでしょう。

海外の調査では、土壌・地下水汚染などを中心とした国別の環境債務の規模は、日米欧など先進国では概ねGDPの数%(日本は3.6%と試算されています)にとどまっていますが、中国やインドではGDPの3割以上であるという試算になっています。まだ中国やインドでは、土壌汚染の個別法が整備されていないため、法的義務が明確ではなく債務という表現を使うのがよいのかはわかりませんが、いわゆる浄化が必要な土地にかかる費用の規模としての非常に大きいということでしょう。

以前実施された環境省のブラウンフィールド調査のときには、広く見積もっても日本国内の土壌汚染は、東京都とほぼ同程度でした。その大きさが10倍以上あるということで、だいたい試算としては同じ範囲に入るようです。

環境対策は、各地域の規制によって進められるため、各国・各地域での法制度やその枠組みに影響されますが、日本の浄化技術やサービスが活かされる機会が増えてくるのではないでしょうか。すでに土壌浄化ビジネスを展開している企業も出ているようですが、日本の環境技術やサービスを海外に展開しながら、各国の環境問題を解決できればよいですね。