世界の廃炉

敦賀原発の今後の再稼働についての報道が続いていますが、世界各国では、原子炉の廃炉はどのような要因で行われているのでしょうか。

世界原子力協会のレポートによると、2013年時点で世界全体の原子炉の廃炉について、その要因別に分類すると、通常の経年や経済的な合理性に基づくものが101、事故によるものが11、そしてこのどちらにも該当しない政治的な決定によるものが25となるようです。このリストが以下のレポートにまとめられています。

http://www.world-nuclear.org/info/Nuclear-Fuel-Cycle/Nuclear-Wastes/Decommissioning-Nuclear-Facilities/#.UZlaC7VU-bM

イギリスでは原子力廃止措置機関(Nuclear Decommissioning Authority, NDA)が、サイト別の廃炉の進捗や費用を整理してまとめており、原子力委員会の資料でも紹介されています。

http://www.nda.gov.uk/sites/

http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2012/siryo38/siryo1-1.pdf#search=’%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E5%BB%83%E6%AD%A2%E6%8E%AA%E7%BD%AE+%E6%A9%9F%E6%A7%8B+%EF%BC%AE%EF%BC%A4%EF%BC%A1′

報道では、今後、敦賀原子炉が廃炉になった場合、外国企業への委託の可能性を指摘していましたが、現時点で廃炉実績が多いのはアメリカとイギリスで、イギリスでは2006年に国内の廃炉技術やノウハウを、世界市場にどのように活用できるかをまとめた報告書を発行しています。このレポートはかつて除染技術などを調べるときにも全体感をつかむのに役立ちました。

http://webarchive.nationalarchives.gov.uk/20061004235923/dti.gov.uk/files/file27836.pdf

上記報告書にもあるように、今後数十年にわたり、現存する原子炉の廃炉作業が続きますが、さらに現在も建設中の原子炉が多数あり、世界全体で原子炉の数は今後も増えていくことが予想されます。特に、建設中の原子炉の過半は中国、インド、韓国などアジアに位置することもあり、これらを総合的にみると、現在の日本の高い技術力やノウハウを廃炉を含めた原子力全体にどのように活用していくのかという、イギリス的な視点も重要ではないかと思われます。

≪建設中の原子炉≫

http://www.world-nuclear.org/NuclearDatabase/rdresults.aspx?id=27569&ExampleId=62

 

 

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