シェールガス市場の環境ビジネス

シェールガスに関する環境問題への関心を背景に、シンクタンクやNGOによる環境リスクの研究が盛んですが、昨年頃からビジネス関連レポートも多数発行されており、経済影響をまとめたIHSのレポートのほか、大手コンサルアクセンチュア、KPMGなどから公開レポートもでています。アクセンチュアのレポートは、米国外の世界市場で開発を進めるオペレーター企業名とともに、オペレータ‐向けにポーランドや中国など環境問題をまとめたビジネス仕様の構成になっています。

http://www.accenture.com/SiteCollectionDocuments/PDF/Accenture-Water-And-Shale-Gas-Development.pdf

一方、シェールガス開発に関する環境ビジネスの市場については、米国の環境ビジネス誌の老舗であるEnvironmental Business International社から2013年にレポート(有償)が発行されており、アメリカ環境ビジネスからみたシェールガス市場の状況が紹介されていて興味深い業界関係者のコメントがが多数掲載されています。(Environmental Business Journal XXVI No.2 2013)

同社のアンケート調査によると、米国内の環境ビジネス関連企業では、今後2-3年で最も成長する市場セグメントはシェールガス・シェールオイルの市場とみており、大手エンジニアリング各社では、需要増に対応するために適材適所のエンジニアをどのように確保するかがカギといわれています。

すでに2012年時点で、アメリカ国内の天然ガスに占めるシェールガスの割合は3割になっているとのことですが、2030年代半ばには約50%になると予想されているように当面成長が見込まれています。このため、シェールガス市場に直接関連するサービスだけでなく、その一部を占める環境ビジネスの業界でも、二桁成長が続いているようです。

たとえば環境リスクに対応するための水処理や廃水のリサイクル、VOC対策などの技術開発も進められているほか、分析や安全面の監査サービスなどで新たなサービスもでてきています。

こうしてみると環境ビジネスはやはり社会の課題解決を支えるビジネスの一つだなと実感します。課題をどのように乗り越えるかと考えるなかで、新たな技術やサービスが生まれていきそうですね。

 

 

 

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