グローバル環境ブログ

水産物の持続可能性に向けた取組

ニホンウナギが国際的な自然保護組織(IUCN)から絶滅危惧種として取り扱われたのを契機に、水産物の管理強化に関するニュースが増えています。
持続可能性に配慮した製品や商品に関するラベル認証は、工業製品や建物などのイメージが強いですが、水産物の持続可能性についての共通の評価指標が、欧州・米国企業等で始まっており、来年からガイドラインを運用する方向になってきました。

もともとサプライチェーンの持続可能性を評価するため、大手小売企業などで進められているサプライヤーの持続可能性評価をモデルに、ドイツ国際協力公社(GIZ)が支援をしてはじめられました。このGSSI (Global Sustainable Seafood Initiative)は、100頁を超えるベンチマークツールを開発し、8月まで約2か月のパブリックコメント期間にはいっています。

評価内容は、漁場の水質や化学物質等の利用、えさの種類や管理、漁業による生態系への影響に加え、法的な位置づけや組織のガバナンスなども含まれ、詳細な評価指標になっています。上述したIUCNのレッドリストに関する項目も含まれており、FAO(国連食糧農業機関)のエコラベルガイドラインと比較できるフォーマットも策定されています。 続きを読む

改正された不動産鑑定評価_土壌汚染の条件付記が可能に

5月1日に不動産鑑定評価基準が改正され、今年の11月1日から施行されます。

土壌汚染の座談会でも話題にあがりましたが、今後、国際評価基準(International Valuation Standards, IVS)に近い形で、土壌汚染に関する一定の条件付で不動産鑑定評価ができることが明示されています。 続きを読む

土壌汚染に関する座談会の成果について

今年2月から約3カ月、土壌汚染対策に関する第一人者の皆様と座談会を通じて意見交換をさせて頂き、報告書をまとめました。
最終版は調整中ですが、この提言内容について国際環境経済研究所様のご厚意で、10回の連載をさせて頂くことになりました。
本日第1回目

環境と経済が両立に向かう『土壌汚染対策』とは(その1)国内の優先テーマと土壌汚染問題の関連性

が掲載されましたので、御覧頂ければ幸いです。

日本EDD認証推進協議会 発足

昨年度、私的研究会として開始した”日本版EDD研究会”を、より公的な形の組織として活動しようということで昨年末から検討を進めていた社団法人の設立登記が完了し、今週、理事会を開催しました。

一般社団法人日本EDD認証推進協議会です。

EDDは”Electronic Data Deliverable(電子データ納品)”の略です。

協議会の設立趣旨や背景については、先週号の環境新聞さんにも理事長のインタビューを掲載して頂いています。また今週号にも日本環境測定分析協会会長から、近い将来EDDの普及が予想される旨が紹介されているように、国内外で環境分析データを電子データとして様々な分野と統合する動きは加速すると思われます。

協議会では7月には、全体会議やワーキング活動など本格稼働をしますので、皆様のご参加により活動がより活発に進んでいくことを期待したいと思います。

中国の環境保護法改正_2015年1月から施行

今年に入り、中国の環境法関連のニュースが多くなっていますが、連休前の4月25日に環境保護法が25年ぶりに大幅改正することが公表され、来年1月から適用されることになります。

全般的に環境法制度の執行や監督の強化が示されています。

続きを読む

ガス制度学会シンポジウム≪2014年3月≫の配信:シェールガス開発と環境リスク

3月下旬に講演させて頂いたガス制度学会のシンポジウムの講演「シェールガスの成長と環境リスク」がユーチューブで配信になりましたので、ご関心がある方はご笑覧ください。

学会発表は15分と短い時間でアメリカの内容が中心でしたが、今年に入り欧州のシェールガス開発のリスク管理に関する推奨ルールや議論が活発になっています。2014年1月下旬に公表された推奨事項では、環境影響評価などの必要最低限の原則が記載されています。EU各国は今後6か月で本推奨事項を採択するかを報告し、来年から各国の概要がEU全体で取りまとめられ、その後、本取組が適切かどうかを評価するという手続きになっています。

EUでも今後2-3年でシェールガス開発に関するルールが制度化、明確化される方向になりそうです。

欧州で環境違反の罰則強化の動き

イギリスでは今年7月1日から、環境違反に関する罰則規定が強化されます。

廃棄物の違法投棄や廃水中の化学物質による水域の汚染など、大気、土壌、水への違法な環境汚染については、重い罰則が科されることになっています。

企業の売上規模等に応じ、また違反内容に応じた罰金が改定され、イングランドとウェールズでは、最大10倍の罰金になることになっています。

また、18歳以上の個人が環境汚染を引き起こした場合にも適用され、違反に応じた罰則が規定されてます。

現在イタリアでも、罰則強化に向けた法案が可決される見通しといわれており、欧州での環境法令の違反に関して金銭的な罰則規定が大きくなる方向のようです。

 

欧州でCSR報告が義務化へ

先週、欧州議会で従業員500人以上の大企業に対して、環境や社会的な影響を報告することを義務付ける法案が可決されました。いわゆるCSR報告の義務化という位置づけとなっており、企業経営の変化における大きな一歩という報道がされています。

続きを読む

中国:土壌汚染調査結果が公表

先週、中国環境保護部から中国全土の土壌汚染調査結果が公表されました。2005年から2013年末まで実施していた調査について初めて包括的に内容を公表したものです。

軽度から重度の汚染を含めると、調査した約630万km2の約16%の地点に基準を超える土壌汚染があり、当局では楽観できない状況ということです。現在、環境保護部では関連当局と共に法制化を進めており、汚染の予防や管理の枠組みを策定する方向が示されています。

今年7月から技術ガイドラインも適用になりますので、法制化に向け引き続き注視が必要になりそうです。

1 14 15 16 17 18 19 20 27